関節リウマチが結婚生活に与えた影響
Q 関節リウマチは、あなたの結婚生活に影響を与えましたか?
A 約4割の患者さんは、「関節リウマチ」が結婚生活へ影響を与えたと回答しました。
『2020年リウマチ白書』の調査によると、「関節リウマチが結婚生活へ影響を与えた」と回答した患者さんは全体の40.4%を占めました。具体的には「配偶者が病気を理解するようになった」という前向きな影響が多い反面、「夫婦生活が困難になった」「妊娠・出産をあきらめた」などの回答もみられました。
結婚生活への影響
調査概要
2019年6月に公益社団法人 日本リウマチ友の会の全会員10,226人に、マークシートおよび自由記述欄から構成された調査票を発送し、有効回答を得られた5,212人(リウマチ患者4,606人、患者以外の会員606人)の集計結果を分析した。
公益社団法人 日本リウマチ友の会 創立60周年記念事業『2020年リウマチ白書』リウマチ患者の実態〈総合編〉 : 63.
Q 関節リウマチは、あなたが母親になることへの決断を遅らせましたか?
A 約半数の患者さんは、「関節リウマチになったことで母親になる決断が遅れた」と回答しました
アジア太平洋地域で行われたオンライン調査によると、過去2~5年の間に妊娠経験がある中等症~重症のリウマチ性疾患の患者さんのうち、約半数の患者さんは妊娠することへの不安を抱いていたことが示されました。
母親となることの決断を遅らせる原因となった患者の心配
関節リウマチは、あなたが母親になることへの決断を遅らせましたか?
調査概要
アジア太平洋地域(日本、オーストラリア、香港、台湾)において、過去2~5年の間に妊娠経験のある18~45歳の、中等症~重症のリウマチ性疾患(関節リウマチ、乾癬性関節炎、体軸性脊椎関節炎/強直性脊椎炎)を有する女性患者210人を対象に疾患の治療や妊娠についてオンライン調査を実施した。
Tanaka Y, et al. Ann Rheum Dis 2019; 78(S2): A1155–1156.より改変
関節リウマチは子どもに遺伝しますか?
関節リウマチは、親から子どもに必ず遺伝するわけではありません。ただし、家族内の関節リウマチ発症率は一般家庭に比べて約3.6倍と高いこと、一卵性双生児の一人が関節リウマチだったときにもう一人も関節リウマチである確率は34%と、二卵性双生児の7%に比べ高いことから、発症には遺伝的要因もあると考えられます。
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/
配偶者の関節リウマチへの理解に対する思い
家族が関節リウマチという病気をわかってくれず、ストレスが溜まり涙が出る
関節リウマチを本当に理解しているか疑問に思うときがある、病気になった人でないとわからないと思う
妊娠への迷い
子どもを産みたいと希望しているが、関節リウマチが悪化するからと母に反対されて悩んでいる
産後の病状悪化、経済的負担、サポート体制などの不安から2人目の妊娠を迷っている
公益社団法人 日本リウマチ友の会 創立60周年記念事業『2020年リウマチ白書』リウマチ患者の実態〈総合編〉: 63.
岡本紀代香 日本看護学会論文集. 慢性期看護 2015; 46: 146-149.
パートナーへの伝え方
パートナーとそのご家族に「関節リウマチである」ことを伝えましょう
関節リウマチでは、病状の悪化や関節が破壊されることにより活動が制限される場合があります。疲れやすい、痛みで歩けない、重い物が持てないときなどにサポートが必要になるため、パートナーとそのご家族には自分が関節リウマチであることを伝えましょう。
パートナーとそのご家族に伝えておきたいこと
- 関節リウマチという病気について
- 今の病状と治療について
- 日常生活での注意点(できること、できないこと、できるだけしないほうがいいこと)
交際がスタートして間もない時期は、お互いを深く知る時期でもあります。関節リウマチであることを早めに伝え、病気のことも含めて理解しあえる関係を築くことが望ましいでしょう。
関節リウマチについてうまく説明する自信がないときは・・・
受診の際にパートナーに同行してもらい、主治医から詳しく説明してもらうのもよいでしょう
将来の子どもの希望などは、結婚前に話しておきましょう
関節リウマチであっても、元気な赤ちゃんを出産し育てている人はいます。ただし、妊娠・出産するにはいくつかの条件とリスクが伴うため、主治医と相談して計画的に進める必要があります。
結婚する前に、子どもがほしいかどうか、いつ頃ほしいのかなどをパートナーと話し合っておきましょう。産後に病状が悪化することもあるため、家族のサポートが得られるよう、居住地も含めた体制づくりについても考えておくことが大切です。
橋本博史監修 改訂新版 図解 膠原病がよくわかる最新治療と正しい知識 2018; 日東書院, 168.
妊娠についての相談
妊娠についての相談をはじめに持ち出したのは誰ですか?
調査概要
アジア太平洋地域(日本、オーストラリア、香港、台湾)において、過去2~5年の間に妊娠経験のある18~45歳の、中等症~重症のリウマチ性疾患(関節リウマチ、乾癬性関節炎、体軸性脊椎関節炎/強直性脊椎炎)を有する女性患者210人を対象に疾患の治療や妊娠についてオンライン調査を実施した。
Tanaka Y, et al. Ann Rheum Dis 2019; 78(S2):
A1155–1156.より改変
JP-CZ-2400023