「WoCBA」とは
WoCBAとは、妊娠・出産可能な年齢の女性のことです
「WoCBA」とは、「Women of Child-Bearing Age」の略で、日本語にすると「妊娠・出産可能な年齢の女性」という意味になります。
一般的に、妊娠・出産が可能な年齢は18~45歳とされていますが、この年代の関節リウマチ患者さんに妊娠・出産を希望される方が増えています。
伊藤聡 臨床リウマチ 2019; 31(1): 7-14.
WoCBA世代の関節リウマチ患者さんは、治療中に多くのライフイベントを迎えます
関節リウマチを発症しやすい年齢は40~50歳台といわれていますが、結婚や妊娠・出産を経験する世代の20~39歳で発症する方も多くみられます。その人数は、関節リウマチを発症した全患者さんの約3割にあたります。
関節リウマチと診断された年齢
- 調査概要
- 2019年6月に公益社団法人 日本リウマチ友の会の全会員10,226人に、マークシートおよび自由記述欄から構成された調査票を発送し、有効回答を得られた5,212人(リウマチ患者4,606人、患者以外の会員606人)の集計結果を分析した。
- 公益社団法人 日本リウマチ友の会 創立60周年記念事業『2020年リウマチ白書』
リウマチ患者の実態〈総合編〉 : 12.
関節リウマチは、長期にわたる通院治療が必要な病気です。
若くして発症すると、治療をしながら多くのライフイベント(進学、就職、結婚、妊娠、出産、育児など)を迎えることになります。生活の変化によって症状が悪化したり、それまでの治療を続けられなくなったりする場合があるため、発症早期からライフイベントを踏まえた治療を行うことが大切です。
関節リウマチが発症する原因やメカニズムはいまだに明らかになっていません。現在のところ、もともと関節リウマチになりやすい体質を持っていたり、たまたまなりやすい環境にいたりする人が、何らかのきっかけによって免疫異常を起こすのではないかと考えられています。若くして発症したからといって自分を責めず、前向きに治療を続けていきましょう。
林泰史監修 スーパー図解 関節リウマチ 2013; 法研, 26-29.
WoCBA世代の関節リウマチ患者さんが直面する悩みは妊娠前、妊娠中、産後で大きく変わります
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- 子どもに病気が遺伝しないか心配
- 妊娠・出産できるような健康状態でない
- 子どもがほしいが家族に反対された
- 経済的負担を考えると妊娠することが不安
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- 治療薬が赤ちゃんに影響しないか不安
- 健康な子を産めるのか不安
- 健康な人でも大変な育児を、関節リウマチ患者である自分ができるのか不安
- 産後の症状の悪化が怖い
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- 出産直後に痛みやこわばりが強くなり不安
- 育児が忙しく受診が遅れ、関節リウマチが悪化
- 治療のために断乳したが、もう少し母乳をあげたかった
- 育児だけでなく病気のことも話せるつながりがほしい
- 子どもの成長とともに自分の体調がどうなるか不安
岡本紀代香 日本看護学会論文集 慢性期看護 2015; 46: 146-149.
Tanaka Y, et al. Ann Rheum Dis 2019; 78(S2): A1155-1156.
JP-N-CZ-RA-2100071